「わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう」 黙示録3・20
主はこられる。あなたのところにこられます。たしかに、あなたが主の所に行くのでもなければ、主をとらえるのでもありません。主はあなたにとってはあまりにも高く、あまりにも遠いのです。あなたのすべての富も、知恵も、あなたを主に近寄せることはできません。それはあなたのいさおしや価値が、あなたを主の所に連れていったと誇ることがないためです。愛する兄弟たちよ、あなたのすべてのいさおしと価値は、うち倒されました。そしてあなたの側には、全き不相応と無価値以外のなにものもありません。そして主の側には、純粋な恵みとあわれみがあります。ここにみじめさの中にいる人と、測り知れない富の中にいる主が出会うのです。
それゆえここで、神がわたしたちを主に似せてつくりはじめられる時、何が起こり、聖徒らしさのはじめは何であるかを、福音書から学びましょう。あなたの王があなたの所にこられ、あなたのうちにみわざをはじめてくださる以外に、はじめはありません。あなたが主を求めるのでなく、主があなたを求めます。あなたが主を見いだすのでなく、主があなたを見いだします。あなたの信仰は主から来るのであって、あなた自身から来るのではありません。主がこられないとき、あなたは外にいなければならず、福音のないところには、神もなく、たゞ罪と滅びがあるだけです。それゆえ、あなたはどこから信心深い信仰生活をはじめたらよいかを、尋ねてはなりません。この王がこられ、この王についてのべ伝えられるところにだけ、はじめがあるのです。
降臨節第1主日の説教
