それからイエスは両親と一緒にナザレに下って行き、彼らにお仕えになった。 ルカ2・51
このことばによって、福音記者ルカは、主イエスの若き日の年月を言いつくしております。
彼らにお仕えになった、とはどういう意味でしょうか。それは第四戒に関係したみわざをなされたということです。イエスは、水を汲んだり、パンや、肉を運んだり、家の番をしたり、そのほかいろいろ、普通の子供と同じように、言いつけられたことをしたのであって、両親が家庭で必要とする手助けの仕事いっさいです。やさしい子供イエスはこれらすべてをなさいました。ですから、神を愛するよい子らはこのように言います。ああ、わたしは子供のイエスさまに似せられて、イエスさまのなさったことに従うというにはまだほどとおいものだ。イエスさまはかんなくずを拾い、両親に言いつけられた仕事をし、家の中でしなければならない卑しい仕事を果たされた。もし、わたしたちがイエスの模範に従って、どんなに卑しいつまらない仕事でも両親が言ったことを喜んでするならばとんなよい子になることでしょうか。
キリストは万物の主であるにもかかわらず、わたしたちの模範として、身をひくくして、両親に従われました。それゆえ、わたしたちも、大きな痛みをのりこえて、この物語を学び、従順に歩む時に、祝福されたものとして感謝するのです。キリストご自身がこれらの義務をあきあきする面倒なものと考えておられないからです。
1534年の説教から