「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない」 ヨハネ14・6
わたしたちの生涯と働きが終わり、もはやこの世にとどまることができない時が来る時、当然の質問が起こります。「わたしが確かにかの生命に移ってゆくことのできる支えと橋は、今どこにあるだろうか」。その時わたしは言いたいのです、あなた自身のよい、きよい生活やわざなどという人間的方法を見回すことなく、そのようなすべてをわたしたちの主の祈りによっておおい、そして言いなさい、「わたしたちの罪をゆるしてください」。そして「わたしは道である」とおっしゃったかたにしっかりとすがっていなさい。その時には、このみことばをあなたの心の中に深くしっかりとほりつけるのです。その時、キリストが実際そばにおられてこのようにおっしゃるのを聞いているかのようです、「なぜあなたはほかの道を求めるのか。しっかりとわたしに目をとめて、どのようにしたら天国につけるだろうかなどとほかの思いでわずらってはならない。それらの思いをすべて徹底的にあなたの心から捨て、『わたしは道である』とのわたしのことばだけを思うがよい。ただわたしのところに来るがよい。あなたの心に堅い信仰と完全な信頼をもってわたしにすがるがよい。その時、わたしは橋となり、あなたを渡らせ、それによって一瞬にあなたは死とよみのおそれから、永遠の生命に移るであろう。わたしだけが自分で道を開いた唯一のものであり、わたし自身がそれを踏んで渡ったからである。それゆえ、わたしはあなたとわたしにすがるすべての人を渡らせる。しかし、あなたはいささかも疑うことなく、わたしに信頼し、わたしにすべてをゆだね、喜びをもって、わたしの名に信頼しつつ進み行き、死なねばならない」
ヨハネ福音書14−15章講解