するとイエスは彼に言われた、「サタンよ、退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」 マタイ4・10
みことばと祈りは、悪魔をおそれさせ、打ち倒すふたつの武器です。神のみことばをたえず聞き、みことばのうちに自分を教え、みことばによって慰められ、励まされていることがひとつの武器であれば、試錬と戦いが来た時に、同じみことばに心をよせ、神に助けを呼び求めるのは、もうひとつの武器です。こうして、ふたつの武器のどちらかをいつも持っていることになり、神と魂の間に永遠の会話がつづきます。神がわたしたちに語りかけられ、わたしたちが静かに聞いているか、わたしたちが求めを告げ神に語る時、神が聞いていてくださるかです。
どちらにしても悪魔はこれに耐えることができず、これに対して抵抗をつづけることができません。それゆえ、キリスト者はこのふたつの武器を帯びなければなりません。それによって心はつねに神に向けられ、みことばを守り、たえざるため息とともに、「われらの父よ」と祈り続けるのです。こうした忍耐は、悪魔と、世と、肉により、たえず攻撃される誘惑と試錬を通して学ぶのであり、それによって、キリスト者はたえず頭を上げ、一瞬も眠ることなく休むことのない敵の攻撃を見張っていることになります。
1539年の説教から