「これらの事が起りはじめたなら、身を起し頭をもたげなさい。あなたがたの救が近づいているのだから」 ルカ21・28
たしかにこれは、まことの主であります。占星術者や占い師のように、凶兆のみをみて人々を驚かせるのでなく、正しくしるしを解釈できるかたです。それは主がよきこと以外何もおっしゃらないからです。そして、賢い者とこの世にとっては、滅びの前兆にすぎず、人は逃げおそれる、これらのしるしの中に、主はよきことすべてを見分けることができ、そこに、「あなたがたの救い」という祝福されたことばを見いだすことがおできになります。そこになににもまさって心から慕い求めていた、慰めに満ちた情景を見いだされます。「あなたがたの救い」とは、今悪魔の力のもとに、なわめにつながれ、悪魔のあらゆる矢によって攻撃され、世に悩まされ、いためつけられ、あらゆる危険と欠乏の淵におかれているあなたが、自分の力によっても、他のだれによっても助けだされることはなかったのに、今や天にある主キリストにより救われ、自由にされ、あなたが反対に悪魔とよみと死を支配し、すべてを足下に従えるようになることにほかなりません。それならば、どうしてこれらのしるしをおそれる必要があるでしょうか。むしろ、心からの喜びをもって迎えるべきではないでしょうか。
この慰めを心から受けいれましょう。それにより、主はかならずこられ、又、主はこれらのしるしによりすぐやってこられることを示されていることを知るのです。
降臨節第2主日の説教