兄弟の愛をもって互にいつくしみ合いなさい。 ローマ12・10
ここで求められているのは、弱々しい愛ではなく、心からあふれる愛であります。それによって、わたしたちの心は他の人々の悲しみが自分の悲しみであるかのようにわたしたちを傷つけ、他の人々の繁栄が自分のものであるかのようにわたしたちを喜ばせる証拠を得ます。それはちょうど、両親が子供の順調な時に喜び、失敗したり、堕落した時に非常に悩むのと同じです。
しかもこの場合、わたしたちは、「自分のようにあなたの隣り人を愛せよ」という戒めを実行することには、まだはるかに及ばないことを学ばせられるのです。この戒めは、わたしたちが深く彼らを愛して、からだと魂、持ち物もほまれも、全く彼らとひとつになることとを意味します。愛するとは実に大きなことです。兄弟のように愛することは、さらにはるかに大きいことです。しかし、父が子を愛するように愛することは、すべてのうちの最大のものです。この愛は心からあふれる、熱烈な、あくことを知らない愛と呼ばれます。
1527年の説教から
