ところが、わたしたちの救主なる神の慈悲と博愛とが現れた。 テトス3・4
このように、神は、わたしたちにたいする慈悲と博愛の福音のうちに、自らを示されました。いかなる人をも喜んで受けいれ、だれも軽べつせず、わたしたちのあらゆる悪をゆるし、決してきびしく追いやることのないものです。福音はまことの恵みを知らせ、その恵みによって、わたしたちを救い、博愛の道で囲んでくださいます。ここでは、だれも自分の価値や働きによって扱われることがありません。今は恵みの時ですから、あらゆる人は、完全な信頼をもって、神のみ座に近づこうではありませんか。
福音のうちに、神はその慈悲を啓示してくださいましたが、それは、人々を助け、ご自分に近づくことを許されるだけでなく、さらにしっかりと支え、彼らとともにあることを望み、たえず、めぐみと友情を与え続けてくださることです。たしかに、このみことばは、わたしたちの神の愛と慰めに満ちたみことばであり、約束です。神は、どこまでも、わたしたちに恵みを差し出し、わたしたちを捨てることなく、近づこうと願うすべての人を、いつくしみ深い方法で受けいれてくださるのです。これ以上に神がなさることがありましょうか。ここで、福音が、なぜ、キリストにある神の慰めと愛のメッセージであると呼ばれているか考えてください。よこしまな罪に満ちた良心に、これ以上やさしいことばを告げることができるでしょうか。
1522年の説教から