キリスト・イエスにあって、共によみがえらせ、共に天上で座につかせて下さったのである。 エべソ2・6
もしわたしたちがこのような信仰を持っていたとしたら、わたしたちはよく生き、よく死ぬことができます。キリストは、ご自分のためだけによみがえられたのではないことがわかっているからです。わたしたちは、この真理がわたしたちをも支え、わたしたちも「よみがえり」のうちに含まれていることを知って、いっしょにすがりついているべきです。それにより、それを通して、わたしたちもよみがえり、永遠にキリストとともに生きます。それは、わたしたちのキリストにある復活と生命がすでにはじまり、もはや完全に達成されたかのように確実であるけれども、なお今では隠されており、現わされていないということです。ですからわたしたちは、しっかりとこの事実に目をとめ、他の目に映るものはどれも比べものにならぬみすぼらしいものであり、天地にそれ以外に見るものはないかのごとく見るべきです。それによって、もしキリスト者の死、また、葬られるのを見て、あなたの目と耳には死以外の何物も映らないとしても、あなたは信仰によって死の中と死の下に、死の姿と全くちがった姿を見いだします。あたかも、墓を見ないで、美しい夏の庭に純粋な生命を見、また、青々とした牧草地に新しい生命のあふれた幸福な人々のみを見いだすかのようです。
キリストが死からよみがえられたことが真実であるならば、わたしたちもすでに復活の最善、最も高貴な部分を与えられているのです。ですからそれにくらべれば（まだ将来に属する）墓からの肉のよみがえりも数えるに足りないことです。
1533年の説教から
