キリスト・イエスにあっていだいているのと同じ思いを、あなたがたの間でも互に生かしなさい。 ピリピ2・5
兄弟たちよ、あなたがたもキリスト・イエスにあっていだいているのと同じ思いを、あなたがたの間でも互いに生かすべきです。キリストは神のかたちであられましたが、父と同じようにあるためにご自身を高くされず、みずから進んでご自身を低くされ、しもべの姿、かたちをとり、あらゆる点において人となり、人のかたちをとられました。そして、父のみこころに従って死に至られたのです。それゆえ、キリストの兄弟たちよ、この聖句がいかに深く印象的なことばであるか、味わってください。そして、わたしたちも同じようにならなければなりません。ここでキリストがなられたのは、悪人ではなく、神のかたちをもった人です。すなわち、力と、ほまれと、正義と、知恵と、きよさと、純潔とをもち、けっして悪をなさず、徳にみちた人です。だが、それにもかかわらず、キリストは神のかたちを捨て、わたしたちとひとしくなることを望まれました。神のかたちをとらえようと望んだ明けの明星や、隣人を見おろして、ほとんど認めることができないかのように誇る高慢な人たちとは、まったく正反対です。キリストは彼らにならおうとはされません。反対に、神のかたちを捨て、人のかたちをとり、罪は犯されませんでしたし、罪を犯すこともできませんでしたが、罪の肉のようになられました。このようにして、わたしたちのすべての悩みを背負ってくださったキリストは、人々の前に愚かとなり、侮辱され、あざけられたのです。このかたのうちに、わたしたちの貧しさと邪悪のすべてを見いだすことができます。しかも、キリストは、わたしたちが自由に主に従えるように、このことをなしてくださったのでした。
1518年の説教から