みんなの者が一つとなるためであります。 ヨハネ17・21
使徒たちのことばによって信じるすべての者には、その約束、つまりすべてのキリスト者とともに一つのからだとなり、一かたまりのパンとなるであろうという約束が、キリストのゆえに、またこの祈りの力によって与えられています。それは一つの肢として、善か悪かが生じると、全体に対しても、善か悪かが生じてくること、ひとりふたりの聖者だけでなく、預言者、殉教者、使徒たち、すべてのキリスト者、それは地上にあると天上において神と共にあるとを問わず、すべての者が苦しみ、彼と共に勝利を得、彼のために戦い、彼を助け、守り、救い、彼らすべてが、彼の苦しみ、願い、悩みをにない、また彼は彼らのすべての祝福、慰め、喜びにあずかるという恵み深い交換が行なわれることの約束です。
この交わり、あるいは兄弟関係にはいって、キリスト教界というこの団体の一員になることよりも、更に祝福されたものを人は望むことができるでしょうか。この確信を持っている人を、だれか傷つけ損なうことができるでしょうか。いと小さい苦しみが彼の上にふりかかる時、天と地とすべての天使や聖徒たちが、彼のために神に叫び求めるのを、だれが知っているでしょうか。もしも一つの罪が彼を攻めておどかし、かみつき、彼の良心を圧迫し、悪魔と死と地獄をもって彼をおぴやかすならば、神は天の大軍と共に言われます、「罪よ、彼をこまらさないでわたしにまかせてくれ、地獄よ、彼を滅ぼさないでくれ、死よ、彼を殺さないでくれ」と。しかしこれは信仰がなければなしえません。なぜならこの世や理性の目には、反対にうつるからです。
ヨハネ福音書14−20章の説教
