すべて神から生れた者は、世に勝つからである。 第1ヨハネ5・4
このことばによってヨハネはキリスト者にすすめをなし、信仰者がその生活と行為において、信仰の力と実践を証明しなければならないことを思い起こさせております。なぜなら、この書簡は主としてにせキリスト者を罰するために書かれているからです。彼らはキリストによってのみわたしたちが救われ、わたしたちのわざも行ないも救いになんのいさおにならないという教えを聞くことを好み、それを聞く時、彼らもキリスト者であると考えます。ところが、彼らは、信仰の戦いに加わって働く必要はないと考えています。彼らはこの信仰から、世と悪魔に打ち勝つ新しい人が生まれてくるはずだ、ということを認めません。
このことばは、あなたがたが神から生まれておりながら、なおも古い死んだこの世の性質のうちにとどまり、罪のうちに生き、以前と同じように悪魔に喜ばれているということを意味しません。その反対に、あなたがたは悪魔とそのあらゆるわざに抵抗するものであることを意味します。そこであなたがたが世に打ち勝たず、世に負けているなら、あなたがたが自分の信仰とキリストをどれほどほめたたえても、あなたがた自身の行為があなたがたに反対の証言をし、あなたがたが神の子ではないことをあかししています。
ヨハネ第1の手紙5・4−12の説教