「わたしがお願いするのは、この世のためにではなく、あなたがわたしに賜わった者たちのためです」 ヨハネ17・9
ここには、キリストが祈ってくださる人びとについて述べられています。すなわち、みことばを信じ、まごころから主を愛し、みことばにかたくすがりつくすべての人びとです。これらの人びとは、彼らがこの祈りのうちにたしかに含まれ、キリストとともにやがて住むであろうことを、喜んで期待することでしょう。
しかし一方、「わたしはこの世のためにお願いしません」と主がおっしゃっているのは、なんとおそろしいことでしょう。主が祈ってくださらない人びとの仲間いりをしないように、わたしたちは気をつけようではありませんか。彼らの最後は、かならず滅びる他はありません。キリストはすでに彼らを捨て、もはや何のつながりも持ってくださらないからです。このようなさばきにたいして、世はおそれにみたされ、恐怖におののくのがほんとうです。しかし実際は、彼らはあざけり笑うばかりで、頑強で頑固な盲目のうちにとどまり、どこまでも安全であると思いこんでいるので、さばきのことばも風に吹きながし、愚か者のことばを聞いたかのように一方の耳からはいったとたんに、他方の耳から出してしまいます。
ヨハネ福音書16−20章の説教