「わたしが父に願って、天の使を十二軍団以上も、今つかわしていただくことができないと、あなたは思うのか。しかし、それでは、こうならねばならないと書いてある聖書の言葉は、どうして成就されようか」 マタイ26・53−54
ユダヤの軍隊に対抗してキリストを守るためには、ひとりの天使で十分でした。しかも、キリストは十二軍団、すなわち、七万人以上の天使も持とうとするならばできるとおっしゃったのです。キリストを守るためには、全世界に対してすら、ひとりの天使で十分であったでしょう。
しかし、キリストはおっしゃいます、「あなたの剣をもとの所におさめなさい。聖書のことばは、どうして成就されようか」。わたしが苦しまなければ聖書は成就しないとおっしゃっているかのようです。しかし、聖書は成就しなければなりません。それゆえ、これらすべてのことは起こらなければなりません。このためにこそ、キリストは苦しまれました。キリストは強制的に苦しまれたのではありません。また、神のほまれと栄光をあらわすためにそれ以外の方法がなかったわけでもありません。ただ、神が預言者たちをとおして語ってこられたみことばを真実に守るためです。神のみこころに従って行動することがみ旨でした。それ以外に行動しようとすればできたのですが、それは主のみこころではありませんでした。
1534年の説教から