「そして見つけたら、喜んでそれを自分の肩に乗せるであろう」 ルカ15・5
主キリストが、失われた羊を自分の肩にのせ、羊の群れの所に帰って来る羊飼いにご自分をたとえられたことほど、全福音書を通じても気高いたとえは他に見いだせないでしょう。そして主は今日に至るまで負いつづけておられます。
それゆえ、福音の要点はつぎのとおりです。キリストの国は恵みとあわれみの国であって、そこには導くこと以外には何もありません。キリストはわたしたちの悲しみと弱さを背負われます。主はご自分の上にわたしたちの罪を負い、わたしたちが倒れても忍耐のうちに待ってくださいます。わたしたちはいつも主の肩の上にいこい、主は決してわたしたちを負うことに疲れません。これはわたしたちが罪の誘惑を受けている時の最大の慰めです。それゆえ、神の国の説教者は福音によって良心を慰め、やさしく扱い、みことばを与えねばなりません。彼らは弱い者を導き、病める人をいやし、それぞれの必要に応じて、どのようにみことばを生かして伝えるべきかをよく知らねばなりません。
ルカ福音書10・23−27の説教