あなたがたの父なる神が慈悲深いように、あなたがたも慈悲深い者となれ。 ルカ6・36
わたしたちの天の父なる神は、どのようにそのあわれみを示されるでしょうか。それは、からだと魂に益となるすべてのものを、きょうも、明日も、永遠に、まったくのいつくしみから、惜しみなくわたしたちに与えてくださるということです。もし神がわたしたちのいさおしに従って与えられるとすれば、よみの火と永遠の刑罰以外のなにも与えることができません。それゆえ、神がわたくしたちに下さる恵みとほまれは、まったくのあわれみから与えられるものにほかなりません。主はわたしたちが死に撃たれているのをごらんになります。そして、わたしたちをあわれみ、生命を与えられます。主はわたしたちがよみの子であることをごらんになります。そして、わたしたちをあわれみ、天国を与えられます。主はわたしたちが貧しく、はだかで、うえ、かわいているのをごらんになります。そして、わたしたちをあわれみ、わたしたちに着せ、食物と飲み物を与え、すべてのよいものであかせられます。このように、わたしたちがからだと霊のうちに持っているすべては、主がわたしたちにまったくのあわれみから与えられたものであり、わたしたちにすべての良いものを注いでくださったのです。
キリスト者のあわれみも、自分の益を求めず、完全で包括的でなければなりません。天にいます父がそうであるように、敵も味方も同じように見るのです。
このあわれみの欠けたところでは、信仰も欠けています。
1522年の説教から