「人々があなたがたをののしり、また迫害し、あなたがたに対し偽って様々の悪口を言う時には、あなたがたは、さいわいである」 マタイ5・11
外面的に言えば、聖なるキリストの民は、聖なる十字架のしるしによって識別することができます。（主の祈りに言われているように）、不幸と迫害、悪魔と、この世と、肉によるあらゆる悩みと試錬に会わねばならないのです。また、心に悲しみを抱き、柔和であり、驚かされ、外面的には貧しく、あざけられ、病気を知り、弱く、このようにして、彼らの主キリストに似たものとされます。これらすべての苦しみは、彼らがキリストと神のことばにしっかりとすがり、こうしてキリストのためにのみ苦しむためにほかなりません。彼らは信仰深く、柔和で、従順で、自分のからだと財産を投げうって祖国と隣人に仕えようとしており、だれにも危害を加えません。しかしこの地上で彼らほど激しく憎まれるものもありません。彼らの生活はユダヤ人や、異邦人や、トルコ人よりもきびしいのです。ひとことで言えば彼らは異端であり、悪漢であり、悪魔と呼ばれます。彼らはのろわれ、世の中でもっとも不名誉な民と呼ばれます。（だれも彼らをあわれまず、彼らがかわくときには、投薬と胆汁だけが飲み物として与えられます）。彼らを迫害し、絞首刑にし、おぼれさせ、殺し、苦しめる人は神に仕えていると考えられています。しかもこれらすべては彼らが人殺しであるとか、姦淫を行なうものであるとか、盗人であるとか、悪漢であるからではなく、彼らがキリストのみを告白し、他のなにものをも神としないからです。
そこであなたがたがこのようなことを見聞きするならば、そこに聖なるキリスト教会があることを知りなさい。主も、「喜び、よろこべ、天においてあなたがたの受ける報いは大きい」とおっしゃっています。この聖なるしるしにより、聖霊はその民をきよめられるだけでなく、彼らを祝福されるからです。
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