「わたしはあなたの神、主である」 出エジプト20・2
すなわち、あなたはわたしのほかに、なにものをもあなたの神としてはならない。このことばはどういう意味であり、どう理解したらよいでしょうか。神とするとはどういうことでしょうか。神とはなんでしょうか。その答えはこうです。神とは、わたしたちがそこにあらゆるよきものを願い求め、なやみの時に、そこへ避け場を求めるかたです。ですから、神とするということは、神のみを信頼し、まごころをもって神を信じることです。ですから、神か偶像をつくるのは、あなたの信頼と信仰だといってよいでしょう。もし、あなたの信頼と信仰が正しければ、あなたの神も正しく、もし、あなたの信仰が間違っており、偽りのものであるならば、まことの神はおられません。信仰と神、このふたつは不可分であって、あなたの心と信頼のあるところに、あなたの神もあると言えます。
この戒めの求めていることは、わたしたちがまことの信仰と信頼とをもって、唯一のまことの神に心を向け、ひたすらよりすがることです。神はこうおっしゃっています。わたしだけがあなたの神である。それ以外のものを求めてはならない。なにか必要があれば、わたしに求め、わたしに尋ねなさい。もし、悲しみ、悩みにうちひしがれるならば、わたしにしっかりとすがっていなさい。あなたの主であるわたしは、あなたの心がほかにむけられていないならば、あらゆる悩みからあなたを助け、豊かに与えるであろう。
大教理問答書