彼は万物よりも先にあり、万物は彼にあって成り立っている。 コロサイ1・17
神が無から創造されたという真理は、キリストの受肉の真理よりも信じることが困難です。
キリストは受肉を通して、わたしたちを、み使いたちの喜んだ創造主についての知識へと導いてくださいます。この知識は、神の姿であるキリストご自身の人格によらなければ、決して得ることができません。キリストだけが死の勝利の国である罪から、わたしたちを救い出してくださいます。罪は人間の性質をまったく盲目にして、もはや、創造主を知ることができないようにしてしまいました。もちろん、宇宙の秩序を見た時など、主のみわざの一端にふれて感動することはありますが。更に、人は自分自身の罪をさえ知らず、自分の盲目を、かえって、最高の知恵と考えるほどです。
もし、アダムが罪を犯すことさえなければ、人類はあらゆる被造物の中に神を認め、神を愛し、讃美し、それによって、道端の小さな花を見ても、神の力と、恵みと、知恵について思いめぐらし、それを知ったにちがいありません。しかし、この不毛の地から、いかなる画家も、化学者もつくりだすことのできない美しい色や、ふくいくたる芳香の花をこれほど多種類にわたって神がどのようにして創造されたかを、だれが推測することができるでしょうか。しかし実際、神は、この地から、緑、黄、赤、青、茶、その他あらゆる色をつくり出されます。アダムの堕落さえなければ、これらすべてのものは、アダムとその家族の心を、神をたたえ、歌い、讃美し、感謝をもって被造物を楽しむことに向けていたにちがいないのです。
卓上語録
