いっさいのことを、愛をもって行いなさい。 第一コリント16・14
真の兄弟関係というものは、神聖なものであり、天上のものであります。それは最も高貴なもので、金が銅や鉛よりもまさるように、すべてのものにまさります。それは聖徒の交わりです。わたしたちはその中にあって、すでに兄弟姉妹であり、お互いに親密であってその偉大なる親密さは考えることはできないぐらいです。なぜならそこには一つの洗礼、一つのキリスト、一つの聖餐、一つの食物、一つの福音、一つの信仰、一つのみ霊、一つの霊体があって、それぞれは他のものの一部分だからです。これほど深くて密接な兄弟は他にありません。
しかしあなたがたは「わたしは兄弟関係によって何かを得るのでなければ、それは何の役に立つのですか」というかも知れません。答えはこうです、「あなたがたは、愛の行為として、会衆と他の人々とに奉仕します。そしてあなたがたは、何も求めず、報いを望まずにそれを得るでしょう」。しかし、もしも愛の奉仕と報いが、あなたがたに手段と思われるならば、それはあなたがたの兄弟関係が正しい精神のものではないというしるしです。愛は自由に仕えます。それで神はそのすべての富を自由に与えられます。すべてのことは愛によって行なわねばならないのですから、もしも神に喜ばれようとするならば、兄弟関係もまた愛によるものでなければなりません。
あなたがたがキリストとその聖徒の交わりにつながっているものであることがわかればわかるほど、しっかり立つことができます。つまりあなたがたがキリストにたより、キリストの愛する聖徒たちが力を増すことがわかる時、彼らのあなたがたに対する愛と、生や死のあらゆる困難の中で助けの確かさが、増してきます。もしもあなたがたが、すべてのキリスト者や全教会の没落を心にとめ、愛を彼らに与えるなら、あなたがたは喜んで人を助け、だれをも憎まず、すべての者に同情し、祈ることになります。
キリストのからだの礼典の説教